私はこのたび、十九年間勤めてきた職場をやめようかと思っています。
社内の配置換えで本社に勤務することに決まり、まわりの人からは抜擢(ばってき)だと言われますが、これまで現場で仕事をしてきた私は、きっと本社との温度差を感じてしまい、本社の人たちと対峙しノイローゼになってしまうのではないかと心配なのです。(法話会での質問より)


 あなたがまだ会社に辞表を出されていないということなのでお話ししますが、あなたの守護霊様はやめさせたくないのです。あなたが人間としての幅を拡げていくためにも、その体験が必要なのです。確かに、これまで現場で働かれていた人が本社勤務となると、あなたが話されたような感じ方をするケースが多いのではないかと思います。
 けれども「世界平和の祈り」を授かったあなたの役割というのは、神様の大調和の光を多くの人に分かち与えることなのです。人類救済の大光明を大きく響き渡らせることが私の仕事なんだな、と思い定めて下さい。そうすると気持ちも楽になります。
 本社に行って、現場の人はもっと苦労しているのに、という風に感じる気持ちはよく分かりますが、その想いから離れてああ、私の仕事は、この場を通して「世界平和の祈り」の大光明を世界中に響き渡らせることなんだな≠ニ、しっかり思うことですね。例えばオフィスで、あなたが「五井先生、世界人類が平和でありますように」という祈り心で取引先にファックスを送ると、神様の大光明がファックスを通して東京へでもどこへでも流れていくんです。そういう尊い仕事をしている私なんだな、と思っていけば悠々と働くことが出来るでしょう。
 今生のあなたは特別な修行や真理を求める勉強をしたわけでもないのに、過去世の方々の素晴らしい積徳のお蔭でこの祈りの道につながったわけですから、本当に幸せだと思います。
 それともう一つ、あなたは生真面目なタイプですから、気分の転換を早くすることを心掛ける必要がありますね。自己の想念を消えてゆく姿であると観じて「世界平和の祈り」に入ることも大切ですが、それと同時に、大自然の響きに気を合わせる習慣をつけていってごらんなさい。大空や雲の流れでもいいですし、あるいは雨や風の音でもいい。花でも草木でもいいから自己の意識を向けることですね。
 これは大事なことですよ。蝉やトンボや蝶でもそうですが、そこに大生命の無限のいのち、愛、智慧、光というものが結集しているんですよ。小さないのちと思うけれど、そこに大宇宙の無限の力が現れているんです。そういうことを観じる習慣が付いてくると、自分を存在させている力が何て尊いんだろうと思えてきますから。
 そうしていると、だんだん生きるリズムが変わってきて、あなたの本来のリズム、守護霊守護神様のリズムで動けるようになってくるんです。必ずそうなりますから、安心して祈り続けることですね。

風韻誌14号(2005年9月)収録



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