五井先生との出会い



コスモス会の源流


コスモス会の源流というのは、私が二十四歳の終わり頃、五井昌久先生にお出会いしたことにあります。その十五分程の間に、今日のコスモス会の歩みが決定されたと言ってもいいと思います。

今でもその時の光景は私の心に焼き付いていますが、当時の私は宗教の世界のことも全く素人でしたし、まして霊的なことなど私には縁も縁(ゆかり)もないものと思っていたわけです。

父からある用件を頼まれ、そのご返事を戴こうと思っていただけのことで、それ以外は、その半年前に五井先生の『宗教問答』を拝読し、どうしてもお会いしたいという気持ちが奥底から湧き上がっていましたので、とにかくお目に掛かったというのが正直な所でした。

私は用件を尋ねつつ五井先生をじっと見詰めておりました。
お出会いした一瞬から懐かしくてどうにもならない不思議な感情がありましたが、それとは別に、私の数メートル先に座っておられる五井先生が光に包まれているというか、白光(全くの透明の光)が天地縦横(じゅうおう)というか、無礙自在に放射されているのです。

私は二十歳過ぎからマルクス主義を相当勉強していましたので、何事も冷静に現実を見るという習慣が付いておりましたが、その時の体験は実に神秘不可思議で、私は魂の底から大きな安心と喜びの世界に入ることが出来たのです。

その十五分程の間に、私の心には、五井先生は慈愛そのものの大親様であるということ、もうこれで私の人生の目的は達成されたという大いなる安堵感を得ることが出来ました。この最初のお出会いの際の直覚知というか体感が、十六、七年後のコスモス会へと展開していったのです。



五井先生とは

五井先生は、一言でいうと「美と慈愛」としか表現できない御方でした。五井先生の御著書を読まれた方は良くお分かりだと思いますが、

「人間は神様の分けられた生命であること」、
「人間には守護霊守護神様が守っておられること」、
「肉体の表面に出てくる全ての感情想念と不調和な出来事は一切、過去世の想念所業の現れては消えてゆく時に起こる姿であること」

そして、

「中心の神様をもとに人類救済の神々様が総結集された大光明、即ち『世界平和の祈り』が世界を真の平和に導くと共に、個人の安心立命と神性顕現が為されていくこと」

これら根本のことを信じて実践できたのは、五井先生とのお出会いがあったからこそであり、神秘的な体験も、後に分かったのですが、私の守護神様が五井先生にお願いして下さったお蔭であったわけです。

五井先生は完全な空体であり、空独尊(くうどくそん)の御存在で、その実体は「世界人類よ平和であれ」という大神様の人類救済の御働きそのものであると、私は絶対の確信をもって申し上げることが出来ます。



               風韻誌8号(2004年6月)収録



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